手のひらがシワシワです。
「ワシも手のひらシワシワじゃ」という人たちを全国から集めて頂上決戦をしても、結構上位に食い込めるくらいにシワシワです。物心ついた時からシワシワだったので、かなり年季の入ったシワシワなんだと思います。
気付き
小学校低学年の頃、手相を見合いっこしようと友人グループの前に手のひらを差し出した途端、「ゾンビの手だ~!!」と蜘蛛の子散らしたようにみんなが逃げて行ったのが最初です。
この時『バタリアン』という映画が流行っていたので、シワシワ=ゾンビと形容したのでしょう。子供ってかわいいですよね。
この時初めて自分の手のひらがシワシワなんだということに気付きました。
たしかに他の子供たちの手のひらはポテっとしていて水気があるというか、それと比べると私の手のひらは一切の水分を感じない、サラッとしてシワッとしている感じでした。でも別にシワシワだからといって、何か不便なことがあるかといえば特に何もありませんでした。
上には上がいる
でも、いくらシワシワだからって「ゾンビの手だ~」と逃げるのは失礼だと思いませんか?「私は正義の人だからそんなことはしない」と考えていた私ですが、ある日ふと姉の手のひらを見せてもらったことがありました。
それがもう想像以上のシワシワで、「チンパンジーの手だ~!!」と、光よりも速く逃げてしまいましたとさ。子供って本能に忠実なんですね。子供達には成長過程で思いやりの心を身につけていって欲しいものです。
ひとつ言い訳をさせてもらうと、姉はみかんが大好きで、みかんばっかり食べていたので手のひらが黄色かったのです。それがチンパンジーっぽさに拍車をかけていたんだと思います。
段ボールからみかんをむんずと数個つかみ、こたつに入ってそれはもう美味しそうにみかんを食べるのです。その姿はまさしくチンパンジー。しかもチンパンジーのくせにみかんの白い筋をちまちまと取るのです。当時幼かった私は姉が怖くて何も言えず、その姿をただただ見つめているだけでした。
ちなみにこれは上の姉で、二番目の姉の手のひらはパンっと張って瑞々しかったです。姉妹では上の姉と私が手のひらシワシワシスターズです。更に言うと、上の姉は足の裏もシワシワです。これはもうシワシワ界のレジェンドだと思うのですが、当の本人は全く気にもとめていないのが凄いと思います。
手相を総合すると神らしい
別に手のひらがシワシワだからといって、人生に何の影響もなく私は生きてきたのです。そんな私ですが大学生の時、駅で女性二人組に声をかけられたのです。
「あなたの手相、見せてもらってよいですか?」と。
手相?見知らぬ人の手相を見たいの?と訝し気に見ていると、「手相の勉強をしているんです」とのこと。そうなんですかと手のひらを見せると、「この手相は凄い!」と大きな声で言うんです。
ますかけ線がある!凄いことですよ!とか、覇王線がある!十字線も!太陽線も!とかキャアキャア言っているんです。
そりゃそうですよ。人より手がシワッシワで、ありとあらゆる線があるんですから。逆に手のひらのスペースで線がない所を探すのが難しいくらい。東京の路線図みたいに張り巡らされた私のシワ網、どんな線だって見つけようと思えば簡単に見つけられるっつうの!
路線図
彼女たちの言う事を総合すると私は、「強運の持ち主でスター性があり、頭もキレッキレでモッテモテ。万人の上に立ち将来億万長者となって、ありとあらゆる災難から逃れることが出来る」らしいですよ。
それってもう神じゃん。
そんな全てをつかさどる者が、駅で回数券とか買ってるわけないじゃん。そうしたらね、その女子たちが言うんです。
「もっと手相に詳しい人がいるから、事務所に一緒に行きましょう」
うん、知ってた。事務所行ったら教祖さま座ってるやつでしょ?そんで入信するか壺買わないと帰れないやつでしょ。知ってた。
バスケットボールで培ったピボット(軸足は右)を活かしてサッと帰ってやりましたよ。若い女の子で釣って事務所連れて行くやり方、ずるいよね。
あ、帰りがけにちゃんと「手相見てくれてありがとうございました」って言いましたよ。
あれから20年
まったく億万長者になる気配がないんですけど・・・。むしろ同年代の女性の中で、なかなかの下の方に属している気がするんですけど・・・。良い線いっぱいあるって言われたのに!もしかしてあの時ちゃんと事務所に行ってたら、今頃大金持ちだったんですかね。失敗したな。
手のひらがシワシワでも特にどうもしない
結論です。「手のひらがシワシワでも人生において別にどうということもない」そういうことです。
歳を重ねれば、多かれ少なかれ皆さん手のひらがシワシワになっていくと思います。その時に、「手のひらがシワシワでも、特にどうもしないと誰かが言ってたな」ということを思い出してくれたらいいな、と思ってこのブログを書きました。
いつか手のひらを見つめながら、シワのことをぼんやり考える日が皆さんに訪れますように。