わかめ手帖

子なし既婚のおばさんのブログです。適当に生きてますが、それなりに楽しいです。

裁判員候補に選ばれて、裁判員等選任手続に行った話 ~運命のくじ引き~

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やっと書ける!!

仕事が忙しくてなかなか書けなかったんですが、裁判員候補に選ばれて、ちょっと裁判所まで行って来てたんですよ。

ちなみに現在進行形で裁判員候補者であることを公にすると法律違反になりますが裁判員法101条1項前段、私は全部終わったので書いてOKなんですよ。じゃ、書くね。

謎の封筒が来る

出会いはおととしの11月。家に届いた郵便物を見て、私は目を疑いました。

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最高裁判所!!

最初見た時、「やっちまったか?」と思いました。当時はもうブログを始めていたので、記事の内容で誰かに訴えられたのかと思ったのです。でも私、誰かを誹謗中傷してたっけ?…もしかして、コキンちゃん?コキンちゃんなの??

www.wakametecho.com

ヤバイ!!これはソッコーで記事を消して、コキンさんに土下座だ!と思いながらおそるおそる封筒を開けると、「裁判員候補者名簿への記載のお知らせ」の一文。

「な~んだ、裁判員か」と思ったのが第一印象です。

裁判員候補者名簿って何?

裁判員になる可能性のある人として、くじで選ばれし民を記載した名簿です。この名簿に載ると、翌年1年間は裁判員に選任される可能性が出てくるのです。名簿に載ったからといって全員が裁判員になるわけではなく、さらに裁判ごとにくじ引きで、各裁判の裁判員候補を選出します。そのため、「来年1年は裁判所に呼ばれるかもしれないから、心しておけよ」という通知を、毎年11月に郵送してくるんですね。私はそれに当たったというわけです。

この時点で理由があれば辞退できる旨の用紙も一緒に入ってるんですが、全員が裁判所に呼ばれるわけではないということで、「ふ~ん、どうせ呼ばれないでしょ」という軽い気持ちで、封筒のことはしばらく忘れて過ごしていました。

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同封されていたQ&Aの漫画。メルカリでいっぱい出品されていて少し悲しい。

忘れた頃に本選の通知

あの封書のことなどすっかり忘れて過ごしていたある日、またも郵便が来ました。しかも今回は地方裁判所からの特別送達です。

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中には「裁判員等選任手続期日のお知らせ」のタイトルと共に、「裁判やるから裁判員が必要。くじ引きで裁判員選ぶから〇月〇日に裁判所へ来い」ということが書いてありました。いわゆる呼出状です。選任手続というのに何十人か呼んで、くじで裁判員6人+補充裁判員2人を選出するというのです。

え~!それって当たりなの?ハズレなの?という感じで、そもそも裁判員候補の心構えなんてしていなかったので、ここから急に動揺し始めます。この呼出状は特別な力を持っているようで、「正当な理由もなく裁判所に来られない場合には、10万円以下の過料に処せられることがあります」だって。ヒエ~!上から!

この時点ではどんな裁判を扱うのかは明記されておらず、裁判の日程だけが書いてあります。私の場合は選任手続を合わせて6日程。裁判は朝から夕方までなので、この間は仕事を休まなければいけません。大人で働いていたら、唐突なこのスケジューリングは無理ってもんじゃありませんか?

しかし、「自分がいないと多大な損失が出る」等の重要な理由以外は、基本的に仕事を理由にしての辞退は認められないようです。でも休んでる間の給与は?と心配になりますよね。裁判員に選ばれた社員の休暇を有給にするか無給にするかの判断は、各企業に委ねられているんですって。一応裁判員になれば1日1万円以内、裁判員候補は8,000円以内の手当(+交通費)が出るんですが、これが多いか少ないかは会社の待遇次第ですね。

うちの会社は有給の特別休暇扱いだったので、給与+日当が貰えるとのこと(日当は補償であって報酬ではないので報酬の二重取りにはならない)。これは行くしかないでしょ!

この段階で辞退もできるよ

いやいや、そんな長い裁判期間全部出られないわって人や、体調や環境でとても裁判員なんてできませんって人は、同封の質問票に正当な理由を書いて辞退の申請をします。その正当な理由の一部を列挙してみますね。

正当な理由一例
  • 70歳以上
  • 重い病気・怪我
  • 妊娠中・育児中(預ける所がない)
  • 家族の介護・入院付き添い
  • 学生,生徒
  • 従事する事業の重要な用務

もっと詳しくはこちら→ 裁判員制度Q&A | 裁判員制度

このあたりでしょうか。どうしても出来ない理由を詳しく書いて、辞退の意志を伝えましょう。

裁判員等選任手続へ

選任手続(という名のくじ引き)は午前中のみで、選任された場合はその後残ってこれからの説明等、ハズレた場合は即解散です。私は会社に「ハズレた場合は午後から出社します」と伝え、イソイソと呼び出し場へ向かいました。

場所はあの霞ヶ関にある東京地方裁判所です。隣には法務省。向かいには検察庁弁護士会。ここだけで日本の法律の全てが片付く、まさに法曹界のイオンモールです。それだけにヤベエ奴も多く来るんでしょうね。警備も万全で、入り口で空港みたいに金属探知機と手荷物検査されましたよ。

受付で呼出状を渡すと、裁判員候補者部屋に案内されて番号が渡されます。プライバシーの観点から、以降は全て番号で呼びますよとのこと。パーマンみたいでカッコイイ!部屋に続々とパーマンたちが入ってきます。全部で25号くらいいましたが、この中から裁判員に選ばれるのは6人、+補充2人で計8人です。

選任手続が始まり、扱う裁判の説明(どんな事件でどんな被害があったのか)→裁判員についてのDVD上映会→質問票等の書類の記入をした後、ぞろぞろと部屋に人が入って来ました。裁判長・裁判官・検察官・弁護人の皆さんです。凄い!逆転裁判で見てた人達じゃん!と軽く興奮してしまいました。一人ひとり挨拶をしてくれましたが、すっごいカッコ良かったです。異議なし!

 

一通りの裁判についての説明の後、「最後にもう一度聞きますが、選ばれたら本当に裁判に参加できますか?」と裁判長がみんなに質問をします。無理だと思ったらその旨を質問票に書いてくださいとのこと。ここで最後の辞退チャンスです。選ばれた後の「やっぱりできません」が一番困りますからね。辞退希望の人はここで個別に面接をして、理由の聞き取りをされます。辞退が認められるか認められないかは、あなた次第です。

そして最後に裁判員選任が行われます。選任方法は「コンピューターくじ」だそうです。なんだろ?コンピューターあみだかな?

ドキドキを胸に、しばし待つ!

結果!

ハズレました!

当選した番号の紙を前に貼っていくという発表の仕方だったんですけど、自分の番号がなかった時はちょっとショックでした。気分はすっかり受験生よ。

最初に封書が来た時は「え~!やりたくない。荷が重い!」と思っていたのに、こうやって裁判所まで来ると、いつの間にか「意外とやりたい」寄りになっていたんですね。だってゲーム以外で裁判に参加できる機会なんて、人生でそうあるものではないですからね。(被告人として呼ばれたくはない)

選ばれた裁判員たちは別室へと連れられて行き、落選した私たちは番号を返却し、それぞれトボトボと帰って行きました。そして私は午後から嫌々と仕事をするのでした。

後日、半日分の手当と交通費が振り込まれて、これで私の裁判員候補体験は終了です!

良い経験をしました

日本で裁判員制度が始まって12年。今回裁判所に行った時も、入り口で「裁判員制度反対!」と拡声器で叫んでる人もいたくらい、賛否ある制度だと思います。ですが今回はその是非をここで議論するつもりはありません。

私は結果的に裁判員になることはありませんでしたが、裁判所へ行ったり裁判についての説明を受けたりと、普通に生きていたらあまりしない体験を出来てとても勉強になりました。

もし裁判所からの謎の封筒を受け取って困惑している人がいたら、少しでもこのブログがお役に立てればと、今回長々と体験談を書いてみた次第です。

辞退する人も、やってみたいなと思う人も、まずは11月頃来る謎の封筒です。裁判所からの封筒が来たら、焦らず対応してみてくださいね。検討を祈ります!