わかめ手帖

子なし既婚のおばさんのブログです。適当に生きてますが、それなりに楽しいです。

悪口も極めれば尊敬に値するということ【昼休み悪口大会】

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前回「みんなで過ごす昼休みが苦痛」という記事を書きましたが、

www.wakametecho.com

今回は対比として、過去にあった「思い出深い昼休み」の話をしたいと思います。

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10年以上前の職場

私がまだ30歳くらいの頃の話です。契約社員で4年くらい働いていた所に、人の悪口ばかり言う女性がいました。当時40歳くらいの人だったと思います。

悪口ばかりというか、悪口しか言わないんです。

悪口の内容は、容姿・性格・仕事ぶりなど多岐に渡り、職場の人全員がもれなく悪口を言われていました。新人・ベテランなども関係ありません。全員です。もちろん私も言われていました。

むしろ悪口を言われなかったら、逆に「なんで私だけ悪口言われないの…?嫌われてるのかな?」と心配になるという、不思議な現象さえ起こっていました。

彼女にとっては仕事中も休み時間もずーっと悪態タイムです。あまりの口の悪さに、「よくそこまで悪口が出るなあ」と周りも一目置いていて、逆にその人の悪口を言う人は1人もいなかったのです。

お昼を一緒に食べていた

そんな癖の強い彼女と、なんと私はお昼を一緒に食べていたのです。

その彼女と、気軽に手首を切る女の子、そしてこの。このカオスな3人で休憩室のテーブルでお昼をとっていました。悪口の人は40代、私は30代、気軽に手首を切る女の子は20代と、何の共通点もない3人です。

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そもそもなんでこんなメンバーになったかというと、最初私は同期の別の人と2人で食べていたんです。しかしその人がフレンドリーな人で、「この人も一緒にいい?」「この子も一緒にね!」と勝手にどんどん連れてきて、結局自分はさっさと辞めていくっていうね!

迷惑なんですけど!!

って正直最初は思っていましたよ。しかしこの残された3人でのランチが、結果として自分にとっては思い出深い時間となったのです。

話が新鮮

気軽に手首を切る女の子はとっても美人だったんですが、「彼氏ってなんでボコボコに殴って来るんですかね?」とか言ってくる子でした。「いつ殴られるか分からないから、白い服って着られませんよね?血が付くから」っていう発言を、20代の女の子がするもんでしょうか。

ビックリして「普通血はつかないし、なによりそんな彼氏とは別れなよ!」と言い続け、彼女は彼氏と別れたのです。

そして「新しい彼氏ができました!」

「その彼氏もボコボコに殴って来るんですけど、どうしましょう(^^)」

と笑顔で言われた日の驚きは今も忘れられません。

結局「男と付き合うのはしばらく控えた方がいいのではないか」という結論に至りました。そして気軽に手首も切らないと約束してくれました。

この子とはかなり気が合って、仕事終わりにご飯を食べに行ったりもしていました。元気にしてるかな?幸せになってると確信してるよ!

悪口の人の悪口が炸裂

一方悪口の人は、昼休み中は水を得た魚のように悪口を披露していました。ほとんど彼女の話を聞く感じで昼休みが終わるのです。私と手首の彼女は、うなずいたり、ペットボトルの文字を読んで時間をやり過ごしたりしていました。

彼女は芸能界が好きで、よくテレビの観覧に行っていました。職場には不細工しかいないから、イケメンを生で見に行くんだと言っていたので、「生で見る芸能人はやっぱり美形なんですかね?」と聞くと、そこから芸能人の悪口が始まりました。芸能人ですら彼女のお眼鏡にかなう人はほとんどいなかったのです。

しょっちゅう観覧に行くだけあって、彼女は芸能人の整形やヅラ事情にも人一倍詳しかったのです。そんな彼女の生きがいは、「真の美しい人を見つけること」。その探究心は、見習わなければいけないなとさえ思いました。

彼女の夢

ある日彼女がいきなり

「私ってブスじゃん?」

と言ってきたことがあります。

この質問に、「確かにブスですよね」とか答えられる人はいるのでしょうか?私は無理です。

なので事実はどうあれ、「え…そんなことないですよ」とかなんとか、手首の子と2人で言いました。

「いや、凄いブスだよ(笑)」と彼女は笑いながら続けました。

でも私には夢があって、凄いイケメンと付き合いたい。そして周りのブス共から「あんなブスの癖にイケメンと付き合うなんて凄いムカつく!」って悪口言われたい。

って言ったんです。

驚きと尊敬

それを聞いた瞬間、手首の子と顔を見合わせました。

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…カッコいい

二人の気持ちは一致しました。

彼女の悪口は他人にとどまらず、自分自身にも向き、そして他人から悪口を言われたいとさえ思っているのだ。ここまで悪口を極めている彼女を、逆に誰が悪く言えるだろうか。彼女は悪口に信念さえ持っているのだ。

私は悪口のその彼女の目をまっすぐに見つめ、心の底から彼女にエールを送りました。

「その夢、叶うといいですね」

ランチタイムが終わって

その後私は引っ越しに伴いその職場を辞めてしまいましたが、今でも時々思い出すのです。

あの夢は叶っているのだろうか?

いや、叶おうが叶うまいがどうだっていいのです。「彼女の夢を応援したい」あの時私が心からそう思った事、その事実が大事なのです。

「人の悪口ばっかりいう奴って嫌だな」という私の価値観を、根底からひっくり返した出来事だったのですから。

今回のこのブログ、身バレ覚悟で書きました。先に謝っておきます。ごめんなさい。

そして、ありがとう。