12月になりクリスマスの足音も近づいて来ましたね。みなさんはサンタさんを信じていますか?
私はサンタさんなんて信じていませんでしたよ。そう、あの日まではね!
はじまり
そもそも私の家はサンタクロース制度自体がありませんでした。
多分姉たちの小さい頃はあったのでしょうが、末っ子の私が物心ついた時には既に終了しており、「クリスマスには2000円をもらって各自好きなものを買う」という制度になっていました。
こんなボードゲームをよく買いました
「サンタさん=自分のためにプレゼントを持ってくる人」という概念は最初からなく、クリスマスのアイコンみたいなものだと思っていました。
そのため最初から「サンタさんを信じる」等の考えはありませんでした。
友達が「サンタさんからもらった」とプレゼントを見せてきても、「家が地主だからサンタに扮した客にもらったんだな。」と思っていました。
しかし小5の時、家が地主の友達が発した一言で私の考えは変わるのです。
「一緒にサンタさんに手紙を書かない?」
サンタって住所あるの?
サンタクロースに実像がないと思っていた私へ、追い打ちをかけるように彼女は続けます。
「これがサンタさんの住所。エアメールだよ」
30年前の小学生にとって、海外なんて物凄く遠い国です。ましてエアメールなんて漫画の中だけの憧れです。
なにより英語で書かれたサンタの住所の秘密感に、私の理性は吹っ飛びました。
「でもサンタさん外国人でしょ?私、英語書けないよ」
今までサンタ呼びだった私が「さん付け」をするほどに、クリスマスの記号でしかなかったサンタクロースが一人の人間として私の中に出来上がります。
「ローマ字で書けばいいんだ!」
二人で顔を見合わせます。
サンタさんに手紙を書こう!
今は小学校でも英語を習うそうですが、昔はローマ字止まりでした。
習ったローマ字は、将来有名になった時のサインの練習くらいしか使っていなかったので、「ローマ字でエアメールを書く」ということに大興奮したのを覚えています。
これは今一秒で考えたサインです
ローマ字で書くとそれっぽく見えます
SANTASAN KONNITIHAと書き出して、KONNITIWAじゃないのかと揉めはしましたが、多分そんな細かい所はサンタさんは気にしないと思います。
長文の結構がっつり目の日本語をローマ字に直して、ポストに投函しました。
家に帰って大興奮で家族に話します。「サンタさんって本当にいたみたい!私住所知ってるよ!」可愛いですね。今とは大違い。
後日返事が来た
内容は忘れちゃったんですが、返事がちゃんと来たんです!すごくないですか?
大喜びしたのを覚えています。
大人になって調べてみると、カナダやスイスなど海外の郵便局にサンタクロース用の住所があって、クリスマス時期に返信してもらえるサービスだったんです。
大昔のことなのでどこの国に送ったのかは全然覚えていないんですが、とても素敵なサービスだと思います。
サンタの本場フィンランドには有料のサービスなんかもあるんですが、これは少し商業っぽい気がします。
まさかサンタクロース事務局が神田錦町にあるとは知らなかったです。
サンタさんはみんなの心の中にいる
それまでサンタに何の思い入れもなかった私ですが、手紙を書いて以来ガラッと印象が変わりましたね。
手紙を書いた当時のワクワク感。そのワクワクした子供の気持ちに郵便局の人が心を込めて返信してくれたこと。
もう小5だったので薄々そういうシステムだということを分かってはいたと思うんですが、そういうのをひっくるめてサンタさんなんだなと、気持ちが変わった経験でした。
さて、そんな素敵な体験をさせてくれた友達ですが、女子高生になったらパンクに目覚めて坊主頭にしていました。
最近は全然会っていませんが、そんな彼女のことが今でも私は大好きです。