ちょっと前になりますが、会社の健康診断を受けてきました。その結果が昨日返ってきたので、今回はその健康診断でメチャクチャ叱られた話をしたいと思います。
バリウム検査で叱られた
ある程度年齢のいっている人なら体験したことがあると思いますが、胃部レントゲンを撮るために行われる儀式のような検査、そう「バリウム検査」。
- 飲まず食わずで胃を空っぽにする
- 発泡剤を飲み空っぽの胃を膨らませる
- バリウムという白い粘度の高い液体を飲む
- 胃や腸を流れていくバリウムの様子をX線で撮影
- 下剤を飲んでバリウムを排出する
余裕ですよ。こんなもの。
私くらいのベテランになると、「今日のバリウム何味だろう♪」くらいの軽い気持ちで受けられるのです。まずは身長体重測定や血を採ったりのショボい検査を終え、メインであるバリウム検査を受けるために、会社に横付けされたあの変な専用バスみたいのに颯爽と乗り込みました。
発泡剤が手渡される
車の中には主にX線を撮影する技師さんと、発泡剤やバリウムを渡したりする助手がいます。今回はその助手に叱られたのです。
まずX線を撮るのにジャマな装備を外され、布の服一枚となった私に顆粒状の発泡剤が渡されます。顆粒の龍角散やほんだしなどと同じような小さなパックに入った物を、助手が封を開けてくれた状態で渡されます。
こんなの
次に紙コップに水を少量入れたものを手渡されます。つまり私は右手に発泡剤、左手に紙コップの状態でスタンバっているわけです。
そして「発泡剤を口の中に入れたら、少量のお水で一気にごっくん!ってして下さいね~」とお決まりの言葉を言われます。ちなみに助手を可愛い子で想像した方ごめんなさい。あのねのねの清水国明を女にしたようなおばさんでした。
パニックになる
初めに言っておきますが、発泡剤→バリウムの流れなんてお手の物なんです。いつもは難なくこなしているのです。それが今回、「さあ発泡剤を飲むぞー」と、ふと紙コップに目を落とした瞬間、私は自分の目を疑いました。
水、少なっ・・・!!
いくらなんでも水が少なすぎるんです!
少量とはいえ、いつもはもう少し入っていたような・・・??小さい紙コップに5ミリくらいしか入っていない水を真顔でじっと見つめ続ける私に、「少量のお水で、一気にごっくんしてくださいね~」と清水国明がたたみかけます。
この量が正解なのか・・・?
いつもは何も考えずにスムーズに飲めていたはずなのに、頭が「こんなちょぴっとの水で飲み込めないよ」とパニックを起こし始めます。しかしプロがよそった水、「これが正解なのだ」と意を決して発泡剤と水を口の中に流し込みます。
ほらね
多分無意識で飲んでたら上手くいっていたんですよ。飲む寸前で脳が一瞬躊躇したんでしょうね。飲み込む前に発泡剤が水と反応してしまって、口の中でブクブクブク~と泡立ってしまったんです。
分かります? こんな感じでもがき苦しむおばさんの悲惨さ。ほっぺを最大限に膨らますおばさんの様相。「大人として、この場で吐き出すわけにはいかない」と必死に口を閉じるも、無慈悲に口内で増え続ける泡。膨らみ続けるほっぺ。
助手の清水国明もドン引きで、「え?何?吐くの?」と後ずさりする始末。「このままでは死ぬ」と思った瞬間、目の端に小さい洗面台みたいのが見えたので、助手を押しのけて側にあったティッシュをむしり取り、洗面台へと走りました。
すっごい怒られた
口の中いっぱいの泡を吹きだすようにぶちまけた、その爽快感ったら物凄かったです。スッキリした顔で助手の元に戻り、「口の中で発泡しちゃって~」と言ったら、それはもう怒られました。
「だから自分は一気に飲めと言った!モタモタしてるからこうなるんだ!」というような事を、凄い剣幕でまくし立てられました。大人になってこんなに叱られることって、そうあるものではありません。その節は本当にすみませんでした。
「次はちゃんとしてくださいよ!」と怒りの国明におかわりの発泡剤を渡されたので、「さっきはちょっと水が少なくて~」と言い訳をすると、さっきより2滴ほど水の増えた紙コップを渡されました。
渡された瞬間、私は無になったのです。否、自ら無にしたというべきか。脳が動き出す前に、瞬時に喉の奥に発泡剤を突っ込むや否や、2滴ほど多くしてくれた少量の水で、即座に喉の奥へと流し込んだのです!
「ゲップしないでくださいねー」という国明の冷たいセリフを無視し、次に手渡されたバリウムを飲みます。無ですから、もちろん味なんて覚えていません。15分くらい前「バリウム何味かな~♪」などと笑っていた、あの純粋な女性はもうここにはいません。感情の無いサイボーグが誕生した瞬間でした。
その後のことは何も覚えていない
いつもはX線を撮る時に、技師さんに「台の上で3回まわって、俺がいいって言うまでその体勢続けてろよ」とか言われて屈辱的な思いをするんですが、今回撮影の時のことは全く覚えていないのです。
気が付いたら終わっていて、清水国明似の助手の前に立っていました。あんなに不機嫌だったのになぜかご機嫌で、「できれば今日中にバリウム全部出しちゃってくださいね~」と言いながら下剤を手渡してきました。
「終わった・・・のか?」と徐々に感情を取り戻しながら着替えていると、カーテンの向こうから「今日は絶対お昼の1時には帰りたいです~。残業は嫌です~。」とタラちゃんのようにご機嫌なあの助手の声が聞こえてきたので、「絶対に残業になりますように」と祈りながらその場を後にしたのでした。
おわりに
これが私の「バリウム検査で叱られた話」になります。健康診断の結果がそれ程問題なかったことと、時間が経って気持ちの整理がついたため、今回こうやってお話しできた次第でございます。
皆様も発泡剤という伏兵に十分ご注意した上で、正しくバリウム検査を受けてくださいね!