わかめ手帖

子なし既婚のおばさんのブログです。適当に生きてますが、それなりに楽しいです。

割引きシールを貼ってもらって心の豊かさが割増しした話

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大貧民というトランプゲームがあります。またの名を大富豪。皆様の地域ではどちらの呼称で遊んでいたでしょうか。

子供の頃は言葉の意味もよく分からずやっていました。勝てば富豪。負ければ貧民。資産があるのが富豪。ないのが貧民。

しかし大人になった今だからこそ思うのです。富とは何か。貧とは何か。財産を所有しているか否か。ではその財産とは何なのか。我が身上に費やしてきた学、経験それも含めて財産なのではないだろうか。

「誠意って何かね」

昔、菅原文太さんにそう問われたことがあります。皆様もきっと問われたことでしょう。

答え、出ましたか?

私はね、まだなんです。誠意って何かいまだに分からない。

しかし「富って何かね」「貧って何かね」、文太に同じように問われたとして、私は何となくだけど答えられると思います。

あの日あのスーパーであの店員さんに出会った時、私はその答えに少し触れることができたからです。

貧、即ち我なり

こんな諺ありますか?なんかありそうなのを適当に雰囲気で言ってみましたが、言いたいことは私は貧しいということです。

なぜかいつもお金がないんですよね。働いてるのにない。なんか使っちゃう。

ネットでよく買い物するんですが、「あと1000円買えばポイントUP」とか言われるとまんまと買っちゃう。特に欲しい物ないから、いつか使うやつ!って乾燥ワカメとひじきとか買っちゃう。

そして届いた時に思うんです。「ひじきは別に今いらなかった」ってね。

ひじきは別に今いらなかった

別にひじきは何にも悪くないんです。いつかはきっと使うでしょうし。おいしいし。

何が悪いかというとですね、ちょっとでも得をしようとして別に得になってないのが愚かですし、ひじきに少し八つ当たりしてるのも浅ましい。

おいしく煮るよ

思考や行動がとにかく貧しい。1円でも得したいと思ってるくせに、財布に入ってるクーポンの有効期限は高確率で切れてる。

本当に貧しい。

対して「富」とは

私のような貧しい人間は、夕方の割引きシールが貼られる時間のスーパーによく出没します。

数分前に100%だったものが、店員さんが「3割引」というシールを貼ると70%の価値になるボーナスタイムです。

今回のお話はここが舞台です。私はここでの真意に近づく事ができたのです。

夫と総菜コーナーをふらふらしていた時のこと。近くで店員さん(自分より10歳は上であろうベテランっぽいお姉さま)が「お安くなりますよ~!お安くなりますよ~!」とニコニコしながら割引きシールを貼っていました。

店員さんから少し離れた所で3割引のシールを見た私は、「ホントだ安い!買おう^^」とご機嫌でお惣菜を手に取りました。何かは忘れましたがカニクリームコロッケあたりだったと思います。

するとその店員さん、「あっ」っという顔をした後、ちょっと離れていた所にいたにも関わらず、劇団四季のキャッツのような身のこなしで私の元に来たのです。

そして笑顔で「もっとお安くなるんですよ!」と言って、私の手にしているお惣菜(多分カニクリームコロッケ)の3割引のシールの上に半額のシールを貼ったのです。

店員さんは3割引から更に時間が経ったお惣菜に半額のシールを貼っている作業をしてたのでしょう。それは分かります。

しかしその店員さんはかなり遠くの惣菜に貼っていて、私のカニクリームコロッケにたどり着くにはまだまだ時間があったのです。現に私は気づいていなかった。そろそろ半額になることを!

別に放っておけば私は3割引のままレジに行き、そのまま損をしたとも思わずカニクリームコロッケを食べていたのだと思います。

しかし店員さんは途中の唐揚げだの骨取り鯖の竜田揚げだのを飛び越えて、私の手元にあるカニクリームコロッケに半額をペタリと貼ってくれたのです!

何という思いやり!

もちろん感謝の言葉を告げました。しかし彼女は偉そうな顔をするわけでもなく、メーテルのような優しい微笑みをだけを残し、また元の唐揚げだかの場所へと帰っていったのでした。

「富」とは心が太ることだ

この時私は思ったのです。

総菜は半額になったけれども、私の心は何割も増して豊かになった。そしてそのスーパーの評価も何割も増した。更にカニクリームコロッケも何割りも増して美味しくなった。

これこそがだと私は思います。

この場合、誰もお金をかけてない。むしろ安くすらなりました。でも我が家のこの日の夕飯は誰よりも富豪の食卓だったのです。どんなにお金を出しても買えないご馳走の味がしました。

私はカニクリームコロッケと一緒に、あの店員さんの思いやりも一緒に食べたのです。

言葉にするのは難しいですが、私はあの店員さんこそが人に富を配る神様だったのではないかと思っています。

国会で「七福神もう一人増やす?」って話になった時は、私はあの店員さんをぜひ推したいと思っています。

以上が私が出会ったすごい店員さんのお話です。人との出会いって、素敵ですよね(^^)

最後までお読みいただきありがとうございました。