もうすぐクリスマスですね!
ひと昔前はクリスマス時期になると必ず、金曜ロードショーで『ホーム・アローン』をやっていましたね。私はこのホーム・アローンを見る度いつも、子供の頃の思い出があふれてきて心をかき乱されるのです。
軽くあらすじ
『ホーム・アローン』はその名の通り、「家に一人取り残された子」の話です。主人公のケビン(マコーレー・カルキン)は5人きょうだいの末っ子。両親と7人家族です。ここに伯父伯母いとこ達を加えて、クリスマス休暇をパリで過ごそうとするも、ひょんなことから一人家に取り残されて・・・?みたいな話なんですが、この「ひょんなこと」が末っ子の自分からしたら、相当胸がえぐられるんです。
家族のケビンに対する当たりが強い
家に泥棒が入ってきて痛快ドタバタ劇!みたいのがこの物語のメインなんですが、そんな泥棒なんかより家族の方がずっと鬼畜なんです。特に長兄と伯父のケビンへの態度が顕著。
パリ出発前夜、ケビンの頼んだチーズピザを長兄が勝手に食べたことに怒るケビン。その拍子にテーブルの牛乳をこぼしてしまい、パスポートがビッチャビチャに。牛乳とパスポートを一緒に置くという愚策は棚に上げ、一同から集中砲火されるケビン。そして罰として屋根裏部屋へ・・・という流れなんですが、これケビン、そんなに悪いですか?
兄姉には馬鹿にされ、伯父さんには「厄介者」だの言われ、さんざんな扱われようなんです。これを見ていると、私の胸に「ああああ~~!!」という気持ちが込み上がってきます。
そう!そうだった!同じく末っ子だった自分も、子供の頃に人権なんかなかった!と。
家族の態度から伝わる圧倒的な見下されている感。それに比例する自分の力の無さ。家族の中で一番下っ端ですから、もちろん発言権もない。それか発言しても鼻で笑われる。
そう、末っ子というのは永遠の下っ端なのです。「教師びんびん物語」でいうところの野村宏伸、「あぶない刑事」でいうところの仲村トオルの立ち位置です。永遠の小僧!
『ホーム・アローン』は、見る度に嫌でもそれを思い出させてくれるんです。そう、いくつになってもね!
末っ子はイージーモード?
世の中では「末っ子はワガママで甘え上手」「要領が良い」などとよく言われますね。そんなのを真に受けて、「いいな~末っ子なんて気楽でしょ?長子の苦労も知らずにさ」などと言ってくる人、いるんですよね(^^)
私には二人の姉がいるんですよ。どんな姉だかご紹介しますね。
上の姉
蓮舫
いや、本物の蓮舫さんじゃないですよ!蓮舫さんを想像すると大体そんな感じだという説明です。1つ言うと53万くらいになって言い返されます。好きな言葉は「リベラル」。学生時代は生徒会だの弁論大会だのに常に参加していました。
小学校のお誕生日にはクラス全員に声掛けし、家に入らないくらいの招待客を呼び(もてなした母疲労)、中学では「家に居場所がない」という不良を家に招いてご飯をふるまうという(もてなした母疲労)、「将来絶対出馬する」と思わざるを得ないような行動をとっていました。
両親も「アイツ政治家になるんじゃないか」と困惑していましたが、
「日本は狭すぎる」
という名言と共に、海外に飛び出して行きました。家族一同心からホッとしている次第です。
「いつでも自分が主人公」というキャッチフレーズをつけたいくらいですが、冗談が通じないので心の中だけで思っておきます。
下の姉
北斗晶(現役時代)
いや、本物の北斗晶さんじゃないですよ!今は家庭を持って丸くなりましたが、昔は上の姉と比べられることが多くグレていた時期があったんです。デンジャラス・クイーン決定戦の頃の北斗晶さんにそっくりでしたね。部屋の窓に「夜露死苦」とか「愛羅武勇」とか本当に書いていたんですよ。愛読書は女ヤンキー御用達の「ティーンズロード」。八王子の美人レディース特集なんかが組まれていましたね。
まあグレる前からその片鱗はありました。小学生の時に自転車の二人乗りをしていて、後ろに乗っていた私の足が自転車のタイヤに巻き込まれたことがあったんです。
「痛い!」と降りて泣きじゃくる私に、駆け寄ってきてかけた第一声が
「親に言ったら殺す」
でしたからね。殺される道理あります?まあこっちも告げ口しますよ。そしたら「チクりやがって」とノーザンライトボムですよ。
こんな下の姉も今では2人の男の子の母となり、お兄ちゃんに「弟に優しくしなさいよ」とか言うんですから驚きです。今はレスラー引退後の現在の北斗晶さんに似ています。
生まれた時から詰んでいた
「子は親を選んで生まれてくる」とか言う人いますよね。百歩譲ってそうだとしても、登場人物紹介の欄に、親だけじゃなくて「きょうだい親戚(内縁含)その他」の情報も書いておいてください!!間違って選んじゃってる人多発してるからね!
どうです?蓮舫と北斗晶(現役時代)を姉に持つ末っ子、けっこうキツイですよ。口・腕力共に絶対適わない人選で取り揃えられた感が凄いです。
最後に生まれ出たがため、心技体とも劣る最弱の私です。もし場に不和があり、攻撃されたら一番に死ぬのは私なのです。
「平穏に・・・とにかく平穏に」これが猛者の中に生まれ落ちた末っ子が、生きていくために命がけで身に着けた術です。人の顔色を伺うことにかけては、右に出るものはいないんじゃないでしょうか。これをもし「要領が良い」と言うのならいいでしょう。ただ、「背景に蓮舫や北斗晶がいた」という事実も忘れないでくれよな!
悪いばかりじゃない
卑屈な事ばかり書いてきましたが、強いお姉ちゃんがいて良かったこともあるんですよ。
小さい頃、近所のいじめっこ男子に目にコショウを入れられて泣いて帰ったことがあるんですが、怒った姉たちが近所で一番獰猛な犬を借りてきて、いじめっこにけしかけてくれたことがありましたよ。
頼もしかったな~。近所で一番獰猛な犬をチェックしてるなんて、レベルが違うと思い知らされました。
犬アレルギーの人もいますし、昭和の話なので今は絶対真似しないでくださいね。ちなみにコショウの入った目は、「洗面器に水を入れてパチパチまばたきする」という昭和療法で治りましたよ!
こちらも今は真似せず、流水で洗ってすぐに病院へGo!ですよ。昭和の子供は強かったんです。
結局『ホーム・アローン』とは
「家族っていいね」
これなんですよね。『ホーム・アローン』の言いたいところは。いじめてくる兄姉なんていらない!と思っていたけど、一人になるとやっぱり家族が恋しい・・・
みなさん!
コロナで今年のクリスマスは思うように集えないと思います。アローンなクリスマスを送る方も、私のように末っ子でケビンにシンパシーを感じる方もいるでしょう。今こそ『ホーム・アローン』を見て、家族の良さを再確認してみるのも良いと思いますよ!
ちなみに今年のクリスマス、2020年12月25日の金曜ロードSHOW!は『風の谷のナウシカ』だそうです。